周囲より小高い「瞑想の丘」へは緩やかなカーブを描く小道が誘います。
「瞑想の丘」から「七井戸の道」が直線に伸びた道がマツやモミの木の樹海を切るように「復活の礼拝堂」へ。
土地の起伏に沿ったカーブや直線的な道、その道を歩く人間の心理にも影響するのでしょうか。
森の中にひっそりと佇む「森の礼拝堂」です。
ちょうど葬儀が終わったところで、親切な従業員の方に案内していただきました。三角屋根の外観から想像していなかったのですが、室内は明るい光に包まれていました。写真には写っていないのですが、ドーム型の天井で天窓から自然光を取り入れていること、天井のフォルムが丸みを帯びているため優しい雰囲気になるのではないでしょうか。
棺の安置台を取り囲むように白い椅子が並べられています。和やかな葬儀の様子が目に浮かぶようです。日本の葬儀にありがちな一方向に向いた列席ではないことに驚きました。
黒松の明るい木立の中に森の墓地があります。お参りに来られた方たちが、お墓の周囲に色とりどりの草花を植えてお手入れしている姿を見かけました。
故人を偲ぶ祈りの場であることは共通していますが、日本の墓地に多い区画割りされた理路整然な景色に見慣れた私には、森の墓地がもつ柔らかな印象がとても新鮮でした。
いつかは誰もが「森に還る」場所であるからこそ、今を生きる私たちにも居心地のよい空間であることは必然だったのでしょう。
墓地内にはところどころベンチも置かれています。腰を下ろして一息つくと心落ち着く私のお気に入りの場所です。