森に還る。スウェーデン・森の墓地 その1

ちょうど7年前の今時期だ、2歳下の実妹と2人でスウェーデン、フィンランドへ旅行したのは。
実妹とは趣味嗜好が似ていて、20代の頃から私が結婚するまで一緒に出かけることが多かったな。

今年、妹が結婚した。お互いの居住地も離れていることもあって2人で一緒に出かけたのはこの旅行が最後かも。そう思うと、時の流れのあまりの早さにアラフォーならではの哀愁にかられそうに。。
いかん、いかん、初秋に予定している実妹の挙式では再会を思う存分楽しむぞ。

この思い出深い旅行で出会うことのできた私の好きなデザインについてご紹介します。

森の墓地

「森の墓地」はその名の通り、スウェーデン国内で最大級の共同墓地。

火葬場や礼拝堂などの施設や約10万のお墓は、元々の森の地形を最大限重視したランドスケープデザインによって配置されている。

写真は、墓地入り口から続くゆるやかな上り坂の歩道の先に見える印象的な十字架。

森に還る

スウェーデン人の死生観を表す「死者は森に還る」という言葉があります。森の墓地は、まだ現世にいる私にとっても森に抱かれるようなそんな安心感を感じる空間でした。

スウェーデン人にとって森の存在は特別なもの。「自然享受権」という日本語にすると少し不思議な語感のする権利がスウェーデンでは認められています。

例え個人所有地であっても、誰もが自然の恵みを受け取れる権利を持つということ。だからといって自分勝手なふるまいは許されません。自然や他者に配慮した責任ある行動の基に自由に森を楽しむそうです。

2006年公開の映画「かもめ食堂」の中でも、もたいまさこさん演じるマサコさんが森の中でキノコを採っていましたよね。(こちらはフィンランドですが、北欧諸国は同様に「自然享受権」があります)

スウェーデン人の精神的な拠り所である森、その精神を反映させた「森の墓地」はもちろん誰もが出入り自由です。ただし、最期のお別れとして故人を偲ぶ場所です。周囲への配慮は忘れずにね。

詳しくはスウェーデン大使館公認認観光サイト